ACEFと天理教の関係について、お問い合せ頂くことがありますので、ここで少し書かせて頂きたいと思います。少々長くなります。

当会設立の経緯については、HPの概要にも載せておりますが、当会の前身は、天理教教団の支援でスタートした救援活動団体です。

私小椋も、現地所長塩尻夫妻も、天理教教団がケニアで救援活動していた頃から参加しており、天理教信者であります。 天理教教団がケニア支援を始めたのは、天理教の教理にある「世界いちれつきょうだい」(人類はみな兄弟である)の教えが根本にあるためです。

1980年代初頭、東アフリカが大干ばつに見舞われた際、 食べるものがなく、やせ細って死んでいく子ども達の様子を、テレビや新聞が大々的に報道しました。
それを見た天理教信者子弟の幼い姉弟が、 自分たちのお小遣いを付けて 「(自分たちと兄弟である)この子たちをどうか助けてほしい」と天理教の機関紙「天理時報」に、寄稿したのが始まりです。

これをきっかけに天理時報が「アフリカの飢えた子にミルクを」という飢餓救済キャンペーンで義援金を募り、食料運搬用トラックの贈呈、そのトラックの修理班の派遣、食料分配の際に同行する巡回医療班の派遣、小学校校舎建築など、約8年の間、急場をしのぐ支援を行いました 。

その際支援先となったケニアの選定や、視察段階から関わり活動の責任者をしていたのが、 当会アフリカ児童教育基金の会ACEFの創設者であり、私の父 村上忠雄です。

1990年12月をもって天理教教団としての緊急支援を終結すると決めた際、「現地ではまだまだ助けを求める声があるのに、この現状を見捨てて帰れない」との強い思いを持った有志たちが、それぞれ支援団体(NGO)を結成し、活動を継続すると決めました。

私たちも、 1991年10月、NGO(非政府団体)アフリカ児童教育基金(現在のACEF)を立ち上げ、 ケニア北東部のメル市に拠点を構え、「元気な子どもには教育を。病気の子どもには薬を」をモットーに 村の水道整備、校納金支援、教科書贈呈、診療所設立・運営、無医村地区や学校への巡回診療、洋裁学校設立・運営などの活動を行ってきました。

その後、2003年にNPOの法人格を取得し、名称もアフリカ児童教育基金の会ACEFと改名。

皆さまから頂いた寄付金、企業・団体からの助成金で、医療、教育に環境保全事業も加え、この3つを柱とし、現在は小学校、職業訓練校、病院、エイズ孤児院、有機農法トレーニングセンターを設立・運営し、活動も行っております。

NPO法人登録をする際、日本のNPO法人は宗教活動は認めておりませんので、天理教の布教を目的とするKenya Tenri Society(KTS)と、支援活動をするACEFとを別団体として切り離し、ケニア側でも登録。現地でも日本側でも、別会計で行政への報告をしております。

その双方の現地責任者をしているのが塩尻所長であり、現地では天理教の布教活動もしております。

事務所と同じ敷地の中には、天理教の参拝所があり、 朝晩のおつとめ(祈り)の時間があり、また毎月、決まった日に月次祭(つきなみさい)を行っております。ボランティアの皆さまで興味のある方の参加は大歓迎です。しかし、ボランティアさんへの信仰の強要はいたしません。 参拝に参加することを強要することもありません。活動に参加したからと言って、何かに登録されたり、天理教の信者にさせられることもありません。

ただ、創設者の父と私たち親子も、現地所長夫妻も、天理教の教理が活動を継続してきた原動力であり、いつもこの教えを心の拠り所としてきました。これまでの約30年「ケニアの人たちが幸せになるお手伝いをしたい」との思いいっぱいで、現地で活動をしていることをご理解いただけたらと思いますし、 尊重していただけると大変有難いです。

ホームページにインターンシップ/ボランティア募集を掲げていますので、いろんな方から問い合わせをいただきます。 もちろん、活動当初からの天理教関係の支援者の方も多いので、天理教関係の方が視察やボランティアに来て下さることもありますが、現在、現地で協力してくれている日本人スタッフや、ボランティアのほとんどは、 天理教とは無関係のところ、ホームページやフェイスブック、またはテレビ番組で取り上げていただいた話から当会の活動を知り、 私たちの活動に賛同してお手伝いに来て下さった方々です。

【宗教】と言うものに対し、いろいろな思いを持っていらっしゃる方がいると思いますし、ご自分の信仰をされている方もあると思います。

しかし、アフリカの人々のため、子ども達の未来のため、 自分にできることで何かお手伝いがしたい、との思いは、みな同じだと思います。

そんな方々で、アフリカには行ってみたいけど遠いし、治安や病気が心配。
情報もそれほどないから、現地のようすもよくわからないから敷居が高い。
そう思っている方に、 当会がアフリカへの第一歩のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

支援金+滞在費が、他団体さんより安いことを不審に思われて、
「何かうさんくさい理由があるから安いの?」
「宗教の勧誘を兼ねているのでは?」
「ボランティアに参加したら、自動的に天理教の信者として登録されるの?」
といったお問い合せをいただくこともあります(笑) 
そのようなことはありません。

滞在費が安いのは、当会は敷地内にスタッフ/来客用の部屋があり、そちらに滞在していただきますし(現地で同等の部屋のホテルに滞在すると、最低でも千円程度かかります)

空港のお迎えなどにも、 これまでの活動中で使用している車両を使うことや(空港送迎にはガソリン代、運転手の超過手当、途中の食事代などを含むと1万円程度かかります)、ナイロビでの仕事を送迎日に併せることや、

また食事は、みんなで協力して作ったり、現地食を食べたりすることで、やりくりできるよう努力しています。

これまで滞在費を値上げすることを考え、 何度も何度も何度も所長と相談し、2019年1月より値上げをしました。それでも他団体さんよりは安いようです。

アフリカは日本からは遠く、航空券だけでも15万円前後します。
そこへ滞在費が高額となると、特に学生さんにはだたでさえ高いハードルが、更に高くなってしまいます。

所長も私も、少しでもそのハードルを下げれるよう、アフリカを知っていただくお手伝いをさせてもらいたいとの思いから、この金額設定にしております。

ただ、支援金は、エイズ孤児院の運営費、現地の事務所スタッフの給料や事務所の光熱費などに充てさせていただいております。

これまでに
「NPO法人なのに、HPに【天理教団が始めた活動】と載せるのは如何なものか」と仰る方や「会社として応援したいので、HPから天理教の名前を外してほしい」との問い合わせなどもありました。

しかし、私たちの活動は天理教の教理が無ければ始まらなかったものであり、そのルーツを隠すようなことをする必要はないと思っております。この教えに導かれなければ、わずか30年でケニアでの活動がここまで大きく発展し、続いては来なかったと思うからです。

あとはご自身の目で、現地での活動やそれに関わる私たちを見ていただき、判断してくださればと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
この他ご質問などありましたら、何なりと仰ってください。

ACEF代表 小椋 とも代

  • エンブ参拝所 神殿

追伸:
2017-2018にReadyforにてクラウドファンディングをした際、ACEFと塩尻夫妻の出会いについて書いたものがありますので、ここに貼り付けておきます。
ぜひ、ご一読くださいませ。