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活動終了レポート2023-3

  • 2023年04月30日 (日)
記入者 20代 女性 大学生
期間 2週間 2023.03.01-2023.03.14
活動内容

・私立小学校、私立中学校での教師(数学・英語・日本語)
・私立・公立小学校、私立中学校の授業への参加(英語・スワヒリ語・社会・理科)
・子どもたちの寮での宿泊孤児院でのステイ、
・自習のサポート僻地の貧困家庭への訪問、インタビュー
・家畜の管理の手伝いスラムへの訪問、インタビュー
・Japanese Culture Dayの見学紅茶農家でのホームステイ
・教会の訪問
・レスキューホームへの訪問
・水汲み、水運び体験

 

    

感想

自分の浅はかさ、無知さと無力さを何度も何度も痛感した二週間でした。

私は大学卒業後に途上国での教育支援に携わることを目標としています。現場に実際に足を運び自分の目で状況を見ることが目標達成に向けて、自分が取るべきアプローチをより明確にするのではないかと考え、大学での専攻を選択するこの時期に今回のインターンに参加しました。

二週間という短い時間を最大限に活用するため、「教育」を軸としながら上記のような様々な活動に積極的に関わらせていただきました。 特に印象に残っているのは、僻地やスラムへの訪問です。多くの人々に定職がなく、子どもを学校に行かせることも一日三食を賄うこともままならないという状況は、私が日本で見聞きしていた通りでした。ただ、私がそこで出会った人々はメディアで報道されがちな「暗そう、悲しそう」といった印象は全くなく、むしろタウンやマーケットで出会った人々と同様に笑顔でフレンドリーな方ばかりでした。訪問前は、何一つ不自由のなさそうな「外国から飛行機でやってきた大学生」の私が、特に何か支援をするわけではなくただただ見学してインタビューする様子は、「高みの見物」として人々を不快にさせるのではないかと懸念していました。しかし、スラムで出会った女性は、嫌な顔一つせずに丁寧に地域を案内してくれただけでなく、別れ際には笑顔で「あなたは私の友達だよ、また遊びに来てね!」と抱きしめてくれました。

訪問したレスキューホームの方は「あなたのおかげで私たちは孤独じゃないって思えた、来てくれてありがとう」と言ってくれました。他にも多くの人が大らかにあたたかく私を受け入れてくれたことや各々が自分なりの楽しみを見つけて力強く生きているさまを目の当たりにして、私は、自分勝手に定義した「幸せ」のものさしで自分勝手に他人の人生を評価しようとしていた自分の浅はかさに気付きました。生活に直結する食べ物・水の不足が深刻な問題であることは間違いないですが、彼らを「不幸、恵まれない」人々として形容してきたそれまでの自分を恥じました。

一方で、学校で文字の読み書きや英語、簡単な計算などの知識や社交性を身につけることが自分の身を守る上でも不可欠であるという考えは揺らぎませんでした。ケニアで行われているような12年間の学費の無償化や学校の建設は学校への「アクセス」を向上させていると言えます。しかし、子どもが重要な働き手である貧困家庭にとって彼らを学校に送り出すことは大きな損失であるため、いくらアクセスが向上しても実際の教育への「参加」を達成するにはまだまだ沢山のハードルがあります。就学率の高いケニアのような国で教育の公平を達成するためには、「アクセス」と「参加」の乖離を埋め、現在取り残されている数パーセントの子どもの教育への「参加」を目指して取り組むことが喫緊の課題であると再認識しました。また、避妊具の存在すら知らない人にも多く出会い、今まで以上に性教育の必要性を感じました。児童売春や望まない性交の根絶に向けた活動に併せて避妊具を普及させることは、若年妊娠やそれに伴う教育へのアクセス断絶、貧困の連鎖を未然に防ぐ一助になりうるはずです。

マキマのはずれで、妊婦の母親・失明した父親・2人の弟妹と暮らす、学校に行けていない男の子に出会いました。将来の夢を尋ねると、「他の人には自分たちと同じ苦労をしてほしくないから、貧しい人でも通えるお医者さんになりたい」と話してくれました。自分の生活が苦しいのに他人を思いやる心と高い志を前に、この子が学校に行けていないという事実が悔しくてたまりませんでした。生まれた場所によって生じる大きな機会格差の残酷さを突き付けられ、その状況を少しでも改善するために尽力したいと心の底から思った瞬間でした。 

今回は、自分が学ばせていただいたことや助けていただいたこと、元気づけられたことばかりで、自分が役に立てたことはほとんどなかったと思います。次の途上国で活動する機会では少しでも誰かの力になれるよう、自分に何ができるか・何をすべきか、を毎日意識しながら残りの大学生活を過ごしていきます。

アセフのみなさまを始めとして、今回関わってくださった全てのみなさま、この度は貴重な体験をさせてくださり、本当にありがとうございました。




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