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無医村地区へ巡回診療(サンブル、ロイトキトク)

  • 2020年03月10日 (火)

巡回診療車両を寄贈いただきました。
エナのエイズケアセンターは、患者宅への訪問ケアを月数回実施して来ましたが、昨年6月より、医療法人社団 元志会の支援を受け、今では月に約16~20か所ほど訪問できるようになりました。

更にこの度、(医)元志会の紹介で、(株)アイセイ薬局、(株)グッディング、ロータスクリニック、有効期限を守る会の皆さまより、巡回診療用車両を寄贈していただきました。これまで乗り合いバズやバイクタクシーで行っていた訪問ケアがより安全に、訪問家庭を増やすことができます。

この巡回車両の初仕事として、2月14日~18日の5日間、無医村地区への巡回診療も実施しました。

巡回診療参加者は、元志会理事長の宗医師、ACEF塩尻所長、医学生や看護学生などの医療系学生ボランティア。なかなか出来ない貴重な体験ができたと皆喜んでいました。それぞれの活動レポートや終了レポートなどもにありますので、そちらもご参照ください。

車両は2012年式トヨタランドクルーザー。中古ながら馬力があり、サファリ仕様で車高も高く、コンディションも良好。ミッション車なので、2か所の村への総走行距離1300キロ を運転した塩尻所長も、とても快適に運転したと話していました。

訪問先はサンブル村とロイトキトク村。

サンブル村は、エンブから北東へ3時間のイシオロから、さらに悪路を約2時間の、野生動物の保護区内のサンブル族の村。

またロイトキトク村は、エンブから首都ナイロビまで約3時間。更に約4時間南下し、ケニアとタンザニアとの国境地帯で、キリマンジャロ山麓のマサイ族の村。

・サンブル村 巡回診療 約100人を診察、薬配布、食糧支援(車両2台)

・ロイトキトク村 巡回診療 約90人を診察 薬配布、食糧支援(車両2台)

患者宅&巡回診療 実施内容:

問診、視診(口腔、耳、眼)、聴診、バイタルサインズ(体温、呼吸状態、脈拍)、全身状態(外傷の確認)、外傷の手当

※宗先生の指示の元、必要に応じて同行学生が体温、脈拍、外傷の確認・手当を実施

巡回診療所見:

サンブル

【疾患】頭痛、下痢、腰痛、呼吸疾患、皮膚疾患、肩こり、白内障、切り傷、火傷など

・部族的生活をしており、衛生環境(水、虫)などが良くない。

・英語話者が少なく、住民の中で英語のわかる人を通訳として横につけて、子どもを優先して診療。

・やけどをそのまま放置し、患部にハエがたかっていた様子。また、切り傷への軟膏を渡した際「水で洗い流してから塗る様に」説明したが理解していない印象であった。清潔にするという考えが不十分なのかもしれないし、そもそも清潔な水自体の入手が難しい。*2

ロイトキトク

【疾患】切り傷、浅呼吸、皮膚疾患、風邪症状、お腹眼球膨れている、呼吸が苦しい、意識がややはっきりしない重篤者あり

・英語話者が少なく、住民の中で英語のわかる人を通訳として横につけて診療。

・サンブルに比べ、症状の軽い人が多く、「眼」「喉」「OK」などのマサイ語を教えてもらい、軽症状の人とは通訳を介さず会話を完結できるようにし時間短縮化。

・キレイに洗濯された服装をしていて、衛生面での違いがみられ、全員靴も履いていた。

・訪問した村が近くの町へのアクセスの良い印象。お茶を出してもらったので、水へのアクセスも容易と思われる。*3

<補足事項>

  • サンブル村は野生動物保護区内にあり、一番近い設備の整った医療機関までは車で2時間。水のアクセスも悪い。
  • ロイトキトク村はケニアとタンザニア国境にあり、キリマンジャロ山麓。観光地でもあるため、道路が整備されており、近くに小規模の町がある。
  • 巡回診療は、外国人だけで集落へ入ることは難しいため、地元の案内人を同行(サンブルは友人議員と村のチーフ。ロイトキトクはマサイ出身女性(夫はアメリカ人))
  • 寄贈車両以外に、4レンタカーや案内人の車両を借り上げ同行。
  • エンブ病院から薬と飲料水を持参し、必要に応じて患者にその場で服用させる。



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