活動終了レポート2023-2
- 2023年04月27日 (木)
記入者 | 20代 男性 医学生 |
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期間 | 約3週間 2023年2月8日~27日 |
活動内容 | 1)エンブ病院の病棟見学、手術見学、帝王切開に助手として参加
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感想 | 約3週間ほどのACEFでの活動で、貴重な体験をたくさんさせていただきました。 特に印象に残っているのは、マキマでのモバイルクリニックへの参加です。会場に着くと、モバイルクリニックの噂を聞きつけた人々が300人ほど待っていました。エイズカウンセラーのサラさんに通訳していただきつつ、患者さんの病状について詳しく聞いて、その後の検査オーダーや薬の処方を行いました。日本でも初診の問診を取った経験は少なく、バイタルだけを与えられて問診をすること、検査オーダーや薬の処方をすることに最初は困惑していましたが、周りの医師やサラさんの助言を聞きつつ、一人一人診察していきました。 その中でも、膝に大きな腫瘤ができた男性が記憶に残っています。日本では小さな腫瘤でも、気づくと病院に行って早めに治療を受けることができますが、僻地であるエナではそれが難しく、大きくなるまで放置してしまったのだと思います。おそらく良性腫瘍であることを伝え、検査をオーダーすると、何度も ”Asante sana, asante sana”と感謝していただけました。 モバイルクリニックでの経験から、医師としての責任と充実感を感じたとともに、自分の未熟さを知ることができました。いつか、医師としてより成長した後に、改めて途上国の医療に関わり、多くの人や地域の健康を守る仕事に就きたいというモチベーションが改めて向上しました。 そのほかにも、ケニアの医療現場を産科を中心に見学させていただき、ヘルスケアと貧困のダイレクトな関係性を肌で感じることができました。 ケニアの周産期死亡率・妊産婦死亡率は日本の数十倍とも百倍以上とも言われています。ケニアの周産期医療を体験してみると、手術手順や麻酔方法、縫合の方法などに多少の違いはあるものの、ほとんどの部分で日本と共通していました。 一方で、貧困によって適切な医療を受けられないことが高い死亡率につながっていることを知ることができました。病院の方々に話を伺うと、貧困のために、子宮内新生児死亡に気付いても病院に来れなかったり、分娩時の大量出血に輸血が間に合わなかったりといった理由で妊婦が亡くなるケースが多いという話を聞きました。ケニアでは月数百円の保険料を払えず、十分な医療を受けられない患者さんが大勢いるなど、ヘルスケアと貧困のダイレクトな関係性を肌で感じることができました。 今回のボランティアでは、機会に恵まれ、ナイロビ大学の見学もさせていだけました。学生時代から医師と同じように医療に参加し、テストは実際に患者さんの問診や診察をして行うという話を聞いて、日本とは違う教育体制に驚くとともに、ケニアの医師のレベルの高さに刺激を受けました。 エンブ小中学校では、図工の先生として授業をしたり、運動会の練習に一緒に参加する経験をさせていただいたり、ホームステイではケニアの家庭の雰囲気を経験することもできました。 今回のボランティアでは、佐藤GMや塩尻医師、エンブ病院の医師など、様々な方々の助けを借りて、様々な経験をすることができました。 学んだこと、感じたことを忘れず、医師として成長してまたケニアに戻ってきたいです。 今回は本当にありがとうございました。 (今回の旅行の日記をInstagramの@takusan_tripに残しています。良ければチェックしてみてください) |